薄毛の悩みを改善しよう!薄毛の原因と種類からみる薄毛対策とは

薄毛の悩みを改善しよう!薄毛の原因と種類からみる薄毛対策とは

そもそも「薄毛」って何?

「薄毛」とは、一部分あるいは全体的に髪の毛のボリュームが少なくなっている状態のことです。生えてくる髪の毛が細くコシがなかったり、髪の毛が十分に成長しないまま抜けてしまったり、成長した毛が通常より早く抜けてしまったりすることで、髪の量やボリュームが失われてしまいます。現在、成人男性のおよそ5人に1人が薄毛だと言われており、多くの方が薄毛に悩んでいます。

どうしたら毛は生えるの?発毛のメカニズム

髪の毛の根元には毛根があり、この毛根の先端には毛乳頭があります。この毛乳頭が毛細血管から栄養を取り込むのです。その後、髪の毛の製造機関である毛母細胞に、発毛または脱毛を指示し、人間の髪の毛は生えたり抜けたりします。毛乳頭が発毛・脱毛の指示を出す、いわば「司令塔」の役割を果たしているのです。

ヘアサイクルについて

人間の髪には「ヘアサイクル」という毛が生える周期があり、およそ3~7年の周期で脱毛と発毛を毎日繰り返しています。健康な人でも毎日50~100本は毛が抜け落ちており、毛が抜けること自体は誰にでも起こる自然なことです。

「生長期」

毛乳頭から毛母細胞が髪の毛製造の指令を受けて、細胞分裂しながら増殖することで髪の毛を作り出します。生長期は髪の毛が活発に成長する時期であり、個人差はありますが1日で約0.3~0.6mmのスピードで成長します。生長期は2~6年程度続きます。

「移行期」

生長期が終わり、毛根の短縮が始まる時期が移行期です。移行期は、わずか数週間です。

「休止期」

休止期になると、毛根が完全に退化し毛母細胞の活動が止まります。休止期は、3~4カ月程度です。

脱毛期

新たな髪の毛が生えてくることで休止期の古い髪の毛が押し上げられ、やがて抜け落ちます。これが脱毛期です。脱毛すると、すぐに生長期に入ります。

正常な状態であれば上記のサイクルで発毛と脱毛を繰り返し、脱毛と同時に新たな毛が生えてきますが、何らかの原因によってヘアサイクルの働きがうまくいかなくなると抜け毛が多くなり、髪の毛が育たず髪が薄くなってしまいます。

なぜハゲてしまうのか?薄毛の原因

薄毛は、「本来ならまだ数年は伸び続けるはずの髪の毛が寿命より早く抜けてしまう」「脱毛した後に発毛しなくなってしまう」「生えてくるが細く短い毛で成長が乏しい」といった状態になることで起こります。
薄毛になる原因は、大きく分けて「遺伝」「男性ホルモンの影響」「生活習慣」「ストレス」の4つです。これらの原因が単一で起こる場合もありますし、複数の原因が重なることで起こる場合もあります。

遺伝

薄毛には遺伝的要素が大きく関係していると言われています。髪の脱毛に関わる男性ホルモンの一種「DHT(ジヒドロテストステロン)」を受け取る受容体の遺伝子を調べることで、男性ホルモンの影響で薄毛になりやすい体質かどうかが分かります。

男性ホルモンの影響

男性ホルモンにはヒゲや体毛などを濃くする作用がありますが、髪の毛には逆に作用します。男性ホルモンは、毛母細胞でDHTに変わります。DHTには髪の毛の成長を止めて脱毛を促進させる作用があり、成長を妨げられた髪の毛が抜け落ちてしまうことで薄毛は起こるのです。

生活習慣

タンパク質や亜鉛、ビタミン・ミネラル類などの栄養素が不足していると、髪の毛の成長の妨げになる場合があります。栄養バランスがとれた規則正しい食事が発毛・育毛には大変重要です。また、睡眠不足や過度の労働、喫煙、過度の飲酒なども頭皮環境を悪化させ、薄毛の原因となります。

ストレス

ストレスがかかっている状況下では、薄毛や抜け毛が起こりやすくなります。自覚症状がなくても、実はストレスが薄毛の原因であることも多いです。意識的に休息をとるようにするなど対策をとりましょう。

薄毛の種類とその特徴

「薄毛」と一口に言っても、多様な種類があります。以下は代表的な薄毛の種類とその特徴です。

AGA

AGA(エージーエー)とは「男性型脱毛症」という意味であり、30~40歳代の成人男性に多く見られる脱毛症のことです。AGAにかかっている日本人は1,000万人を超えるとも言われています。症状の現れ方はさまざまですが、額の生え際や前頭部、頭頂部の毛から脱毛が始まることが特徴です。AGAの原因ははっきりと解明されていませんが、先述したような遺伝や男性ホルモンの影響、生活習慣などが原因とされています。

円形脱毛症

円形脱毛症とは、髪が円形や楕円形に毛が抜けてしまう脱毛症のことです。円形脱毛症は、年齢・性別に関係なく発症します。AGAなどのように徐々に薄くなっていくのではなく突然髪が抜け始めることが特徴で、1カ所あるいは数カ所の毛が抜けてしまいます。

円形脱毛症の主な原因は、ストレスだと言われています。過度なストレスを受けることで自律神経が緊張し、頭皮の血管が収縮することで血流が悪くなって毛根に栄養や酸素が行き届かなくなり、それが原因で脱毛してしまうのです。また、近年ではストレス以外の原因も解明されつつあります。円形脱毛症で抜けた毛には毛根にリンパ球がたくさん含まれていることから、自己免疫に携わっている可能性があるのです。

脂漏性脱毛症

脂漏性脱毛症は、人間の皮膚に常在するマラセチア菌というカビの一種が、頭髪で増殖することによって発症する脱毛症です。不潔で皮脂が過剰に分泌している頭皮環境においてマラセチア菌が皮脂を栄養にして増殖し、頭皮にフケやかゆみなどの症状を引き起こします。症状が悪化すると毛穴がふさがり毛根部が炎症を起こし、ヘアサイクルが正常に働かなくなった結果、抜け毛が増えていきます。

粃糠(ひこう)性脱毛症

粃糠性脱毛症とは大量のフケが毛穴をふさぎ、毛根部で細菌が繁殖して炎症を起こし、抜け毛が増える脱毛症です。髪の毛が1本1本抜けていくことや、シャンプーの際に抜ける毛が多いことが特徴です。頭皮を不潔にしていたり、シャンプーや整髪料が頭皮に合っていなかったり、すすぎ残しがあったりすることで起こります。粃糠性脱毛症は、ヘアケア方法を見直すことで改善が期待できます。

機械性脱毛症

機械性脱毛症は、ヘルメットや帽子をかぶり続けたり、ポニーテールのように髪を強く束ねたりするなどの物理的な強い刺激が加わることで起こる脱毛症です。左右の額の生え際から抜け始め、だんだんと後退していくという特徴があります。

抜毛症(トリコチロマニア)

抜毛症(トリコチロマニア)は、正常に生えている髪の毛を自分で引き抜いてしまう性癖によって脱毛が起こる脱毛症です。情緒不安や精神不安など精神的なストレスが原因で起こります。子供や女性に多く見られ、手の届きやすい範囲(特に利き手側)で毛が抜けていることが特徴です。頭髪だけではなく、体毛で症状が見られるケースもあります。抜毛行為が長期間続くと頭皮や毛根にダメージを与え、毛が生えづらくなったり細い毛しか生えてこなくなったりすることもあります。

薬剤による脱毛

抗癌剤や肝炎の治療薬など薬剤の副作用によって髪の毛が細くなります。薬剤による脱毛は、前頭部・頭頂部など部分的な症状ではなく髪の毛が全体的に抜け落ちてしまうことが特徴です。薬剤投与が終わればやがて毛が生えてはきますが、薬剤のダメージが髪を作る毛母細胞にもおよび髪質が変わってしまう恐れがあります。

薄毛にならないためにできること・予防策

薄毛は食生活や生活習慣が原因となることもあり、これらを見直すことで薄毛を予防することが可能です。具体的に言えば、規則正しく栄養バランスのとれた食事や十分な睡眠、ストレスのない生活、過度の喫煙・飲酒を控えることです。こちらでは、薄毛予防のために必要な対策をご紹介します。

栄養バランスのとれた食事

偏った食事や極端なダイエットを繰り返していると体にとって必要な栄養素が摂取できず、髪も栄養不足になり細くなったり健やかな成長を妨げたりと悪影響を及ぼしてしまいます。特に髪の成長に役立つタンパク質や亜鉛、ビタミン群、ミネラル類などは十分な摂取が必要です。

タンパク質

髪の毛はほぼタンパク質で作られており、髪を作る元となるタンパク質をたっぷり摂取することが薄毛対策につながります。良質なタンパク質が豊富に含まれる肉、魚、卵、大豆(豆腐)などの食品を積極的に摂取しましょう。

亜鉛

食事で採り入れたタンパク質を、髪を作る元としてうまく機能させるために必要な栄養素が亜鉛です。生がきやレバー、するめ、アーモンド、めんたいこ、大豆などに特に多く含まれています。これらの食材を積極的に摂り入れてみましょう。

ビタミン類

食事で摂り入れたタンパク質は、体内で一度アミノ酸に分解されて再合成されます。このタンパク質の再合成を行う際に必要なのがビタミンB群です。にんじんやほうれん草など、緑黄色野菜に多く含まれています。また、ビタミンEは髪に栄養を届ける血液を整え、毛母細胞への血流を活発にして髪の毛の成長を促します。ビタミンEはゴマやナッツ類などに数多く含まれています。

ミネラル類

髪の成長に必要な酸素や栄養は、毛乳頭とつながっている毛細血管から血液を介して運ばれます。血液を作る元となる鉄分やカルシウムをはじめとしたミネラル類を摂取することで、健康な血液を作り髪に良い栄養を与えることにつながるのです。ミネラル類は納豆やエリンギ、ひじきやするめ、にんじんやごぼう、海藻類に数多く含まれています。昔から海藻類が髪に良いと言われる理由は、マグネシウムやカルシウムなどのミネラル分が豊富に含まれているためです。

髪の毛に良い食べ物は、全身の健康にも良い食べ物です。栄養バランスのとれた食事で、体も髪も健やかに保ちましょう。

十分な睡眠

髪の毛が成長する時間帯は午後10時から午前2時の間だと言われており、新陳代謝がもっとも活発になる時間帯です。この時間帯にしっかり睡眠や休息をとることで、髪の毛を作る毛母細胞が活性化し発毛につながります。ですから午後10時から午前2時の間の時間帯にはベッドに入って、しっかりとした睡眠をとることが重要です。

ストレス対処

過度のストレスがかかると自律神経が緊張し、頭皮の血管が収縮することで血流が悪くなり毛根に栄養や酸素が行き届かなくなります。髪の成長に欠かせない栄養や酸素が乏しくなることで、髪の成長が止まり抜け毛が増えたりして、薄毛が進行するリスクが高まります。ストレスがかかっていても自覚症状がなく気付かない人は多いものです。「少し疲れているな」と感じたら無理をせずに、休息をとることを心掛けましょう。

禁煙・節酒

ニコチンは血管を収縮させる働きがあり、頭皮の血管が収縮することで血流の流れが悪くなって毛根に栄養や酸素が行き届かなくなり薄毛につながります。
また、過度のアルコールは体内の栄養素の吸収を阻害し、髪に栄養が行き届かなくなります。薄毛を防ぎたいと思うなら、禁煙・適度の飲酒を実践することをおすすめします。

適度な運動

適度な運動は頭皮の血行を促し、新陳代謝を活発にする効果があります。特にサウナやストレッチなどは血管を広げて活流を促す効果があるためおすすめです。

薄毛が気になったらやるべきこと・改善策

上記方法も有効な薄毛対策、抜け毛対策ですが、頭皮のコンディションを整えることも発毛や育毛促進には有効です。頭皮のコンディションを整えるための改善策をご紹介します。

1.頭皮に合ったシャンプー選び

刺激が強いシャンプーは頭皮に炎症を起こす原因となり、頭皮にダメージを与えて薄毛を悪化させることにつながります。デリケートな肌質の方などは頭皮にやさしい、刺激の少ないシャンプーを選択しましょう。

2.正しいシャンプー方法

洗髪時は髪の毛でだけなく、頭皮をやさしく洗うことを心掛けましょう。爪を立てずに指の腹でマッサージするようにやさしく地肌を洗います。シャンプー剤の流し残しがあると、フケやかゆみ、頭皮の炎症にもつながります。そのため、すすぎは念入りに行ってください。定期的に美容院やエステサロンなどでヘッドスパを受けるのも良いでしょう。

3.発毛剤・育毛剤の使用

発毛剤には毛母細胞に働きかけて新しい毛が生えるのを助け、ヘアサイクルを正常に導く効果があると言われています。また、育毛剤には、毛が抜けることを防ぎ、毛が長く太く育つような頭皮の環境を整えることを望めます。髪にやさしい生活を心掛けつつ、発毛剤・育毛剤を上手に使いましょう。

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